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上陸拒否の特例第5条の2-金賢姫そしてタクシン元首相

こちらにメモ程度にまとめておこうと思っていた
タイ元首相タクシン氏の8月中来日の件について遅ればせながら書きます。

タクシン氏は母国タイから亡命中。ネット上の情報ではタイ国籍もすでに
剥奪されており、色んな国を転々としながら、複数の国籍を取得している
状況とのこと。
8月に日本を訪れるに当たり、彼自身が汚職の罪で有罪判決を受けていることが障害になっていました。

asahi.comで今日現在見られる記事をまとめると、

タイのタクシン元首相が亡命先のドバイの日本総領事館に入国申請したことを受け、菅内閣は入国を特別に認める方針を固めた。外務省は近日中に査証を発給するため、法務省と調整に入った。

タクシン氏は汚職の罪で禁固2年の有罪判決を受け本来は日本に入国できない。出入国管理法に基づく入国拒否の対象となる。タクシン氏の妹のインラック首相の新政権から「タクシン氏の入国を拒否しないで欲しい」と要請を受け、日本政府が特例として入国を認めた。 江田五月法相は15日の会見で「外務省から外交的配慮が必要ということで協議を求められた」と説明。

というところです。

まず、日本にどういう場合に入国できないか、ですが、これは
入管法(出入国管理および難民認定法)で決まっています。

具体的には第5条で「本邦に上陸できない外国人」が定められています、
タクシン氏はこの中の第4号にある
「日本国又は日本国以外の法令に違反して、1年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。」
に当たります。

ただ、これに対して「上陸の拒否の特例」という条文がすぐ後にあります。
第5条の2がそれですが、この中に、タクシン元首相のように禁錮2年の判決を受けているような人でも「法務省令」で定める場合において「相当」と認める時には上陸を拒否しないこととすることができる、とあるのです。

法務省令で定める場合、ですが、
さらにこの法務省令である「施行規則」の第4条の2第1項に書かれています。

ここに上げられている「場合」ですが、
第2号に、在留資格認定証明書を受けたか、
査証をパスポート上に受けた場合で、
今回の禁錮のような判決を受けた後「相当の期間が経過している」
とかその他特別な理由があると法務大臣が認める場合、と
あります。

おそらくタクシン氏の場合にはこのケースに当てはまり
タイ政府の要請を受けて、内閣で話をして、最終的には
法務大臣の江田さんが上陸を拒否しない決定をした、という
ことになります。

少なくとも、報道でも書かれている通り、
本人がドバイの領事館で査証申請はした上で
査証が出たからこそ、「上陸を拒否するのかしないのか」
という課題が出てきて、法の第5条の2で判断するという
ことになりますね。

ただ、普通の人の人の場合、そもそも上陸拒否事由に当たる人(オーバーステイ
で退去強制になった人など)が査証や認定証明書を申請した
時点で、この申請そのものが不許可になるケースが多い印象が
あるので、この「上陸拒否の特例」は、やはり特別な人物に
与えられるのが前提なのかな?と思います。

私が知る限りでは、このタクシン氏の前にこの特例が適用されて
入国した人といえば、韓国で一度は死刑囚になった金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏
でした。昨年7月の来日でした。

上に上げた入管法第5条の2の他に、よく知られるものに「上陸特別許可(第12条)」があります。wikipediaの「金賢姫」の所を見ると「第12条を適用」と書いてありますが、
調べてみたところ正しくは第5条の2です。

法務省のサイトの大臣会見(平成22年7月20日付)に金賢姫氏入国についての
質疑があり、そこで「昨年この特例ができた」と答えており、この規定について
「金賢姫氏への適用が初めてか」という旨の質問については詳細が手元にない
という理由でその場で回答できなかったようですが、
その頃の新聞では「この条文を適用するか
悩んだ」千葉法相(当時)の記事を読んだ覚えがあります。
少なくとも報道上では、法改正でできたばかりの条文を初めて適用する、
というニュアンスがあったと思います。

法務大臣会見 金賢姫の件
法務大臣会見 タクシン元首相の件

昨年の金賢姫氏の場合には、国として拉致事件の解決の目的があっての招待、
タクシン氏については本人の希望での来日であり、
日本政府から見ると立場が違ってきますが、
どちらも、本人が日本に来て三審制のような形を取る上陸特別許可ではなく、
あらかじめ上陸拒否をしないことを決めておける5条の2を使って
入国を許可したということですね。

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